2026.6.10 記
横手市の「環境美化推進員活動報奨金」について、市政協力員が存在しない自治会に対して、市政協力員分の報奨金が長期間にわたり支払われていた可能性があるため、昨日、横手市監査委員事務局へ横手市職員措置請求書(住民監査請求書)を提出しました。 提出した書面同様の請求書・証拠②を記載します。なお証拠①③④⑤は情報開示請求し取得した公文書で公開は可能ですが、対象の自治会名が明白になる事の影響を考慮し公開しません。
証拠①の修正説明 対象自治会名は「○○町内会」と名称は伏しています。
証拠③の補足説明 「までの支払状況が記載されているが」を「が自治会名と共に記載され、支払状況の確認ができるが」に変更してください。
横手市の監査委員は議会選出1名、有識者2名の3名です。読者の皆さん、監査委員になったつもりで監査の必要性があるかどうかを判定してください。
横手市職員措置請求書
横手市長に関する措置要求の要旨
1, 請求の趣旨
横手市が自治会に支払っている「環境美化推進員活動報奨金」について、市が自ら定めた算定規則に反し、市政協力員が実在しない自治会に対して、市政協力員分の報奨金を支出している疑いがある。
本件は・算定根拠の欠如・審査義務違反・規則違反・不当な財務会計行為に該当する可能性が高いため、地方自治法第242条第1項に基づき監査を求めるものである。
2, 請求の対象となる財務会計行為
対象となる財務会計行為は以下のとおりである。
① 市政協力員が実在しない自治会に対し、市政協力員数を算定に含めて報奨金を支出した行為
② 算定規則に反する支出を行った担当課の事務処理
③ 違法・不当な支出を是正せず放置している行為
3, 請求の理由
以下、証拠資料に基づき問題点を整理する。
① 市政協力員が実在しない自治会に、市政協力員分の報奨金を支出している。
・証拠②「環境美化推進員の手引き」の「6)活動報奨金について」には、市政協力員数×5,000 円+自治会の世帯数×50円と算定方法が明記されている。
・証拠③「市政協力員への報酬一覧」には、対象自治会名が記載されておらず、市政協力員が存在 しないことが確認できる。
・証拠④「環境美化推進員活動報奨金支払一覧」では、市政協力員がいる前提の金額が支払われ、算定式に照らして不自然である。
以上より、算定規則に反する支出である。
② 担当課が算定の前提となる事実確認を行っていない可能性
本件報奨金は自治会が申請する方式ではなく、担当課が自治会からの事業報告を受け、市政協力 員数を確認し算定する構造となっている。しかし担当課は、市政協力員が存在しない事実(証拠③)および算定規則(証拠②)を照合せず算定し、誤った支出をした可能性が高い。
担当課における確認作業が適切に行われていなかったことがうかがわれる。また、確認不足が長期間にわたり見過ごされた背景には、担当課内の審査体制や内部統制の不備が存在していた可能性がある。
以上より、行政の審査義務違反に該当する。
③ 虚偽の算定に基づく公金支出は違法支出に該当する
市政協力員が存在していないにもかかわらず、市政協力員分の報奨金を支出することは、算定根拠の欠如、規則違反、財務会計行為の瑕疵に該当し、違法な公金支出となる可能性が高い。なお、公金支出においては、支出の根拠となる規則に適合していることが必須であり、算定根拠を欠く支出は違法な財務会計行為に該当する。
④ 自治会の定義・要件が曖昧で、行政内部のチェック機能が働いていない
自治会の定義・要件が明確でないため、担当課が精査せず誤った算定を行っている可能性がある。これは行政内部の統制機能の欠如を示すものである。
4, 請求事項
監査委員に対し、以下の事項について監査を求める。
① 対象自治会に対する報奨金算定が規則に適合しているか
② 市政協力員が存在しないにもかかわらず算定に含めた理由
③ 違法・不当な支出があった場合の返還措置
④ 再発防止策および担当課への指導
5, 事実証明書
証拠① 令和7年度 横手地域自治会一覧 (A4表裏3枚)
No1~No233の、No56「○○町内会」が対象自治会である。
証拠② 環境美化推進員の手引き (1部)
3ページの「6) 活動報奨金について」に算定方法が明記されている。
証拠③ 令和7年度 市政協力員報酬支払一覧 (A4表裏3枚)
協力員No1~協力員No363までの支払状況が記載されているが、対象自治会名は存在しな い。
証拠④ 令和7年度 環境美化推進員報酬支払一覧 (A4表7枚)
No1~No195の、No45が対象自治会である。
対象自治会に対し、市政協力員が存在する前提の金額が支払われている。
証拠⑤ 令和7年度 環境美化推進員登録一覧 (A4表裏8枚)
番号1~番号232の、番号57に対象自治会から環境美化推進員の登録がされている(補助証 拠として提出)。
6, 備考
以下、本件に関する事実経過及び問題点を補足する。
(1) 事実経過について
令和7年、請求人は担当課に対し、算定規則(証拠②)と実際の支出内容(証拠④)に不一致があることを指摘した。しかし令和7年度末においても過去同様の算定方法に基づく支出が継続しており、誤った算定が是正されていない状況が確認される。また、制度開始翌年(平成29年)から算定規則と異なる支出が行われている可能性があり、長期間にわたる誤支出の継続が疑われる。
(2) 制度設計上の不備について
証拠②「環境美化推進員の手引き」1) 登録について、市政協力員が存在することを確認する旨の記載がなく、制度設計上の不備が認められる。この不備により、担当課が市政協力員不在の自治会に対して誤った算定を行う一因となっていると考えられる。
本来、公金支出に於いては、対象者の適格性を確認するための明確な基準が必要であるが、当該制度にはその確認手続が十分整備されていない。
(3) 内部統制・審査体制の欠如について
自治会の定義・要件が明確でないことに加え、市政協力員の存在確認を制度上担保する仕組みが存在しないため、担当課が審査内容を精査せずに受理する運用が常態化している。
その結果、市政協力員が存在しない自治会に対して、市政協力員数分の報奨金が算定に含まれたまま支出されている。これは行政内部のチェック機能が十分に機能していないことを示すものである。また、自治会の定義・要件が制度上明確でないため、自治会としての適格性を確認する基準や手続きがなく、誰でも任意に「○○町内会」と称して登録したら、世帯数分の報奨金を受領できてしまう構造となっている。
このように、自治会の実体確認を担保する仕組みが欠如していることは、内部統制上の重大な問題であり、誤った算定や不適切な支出が長期間継続した背景の一つと考えられる。
(4) 誤支出が長期間継続した理由
本件の誤支出は単なる事務的ミスではなく、「性善説に基づく制度運用」「曖昧な規則」「審査 基準の欠如」「担当課の確認義務の不履行」「内部統制の不備」といった複数の構造的問題が重なった結果、長期間にわたり継続したものと考えられる。
これらの点から、本件は制度運用上の重大な瑕疵を含むものであり、監査委員による是正措置および再発防止策の検討が必要である。
以上
7, 請求者
住所
職業
氏名
地方自治法第242条第1項の規定により別紙事実証明書を添え、必要な措置を請求します。
令和8年 6月 9日
横手市監査委員 様
連絡先(電話番号 - - )
証拠② 「横手市環境美化推進員の手引き」
環境美化推進員制度の目的と概要
1) 登録について
自治会から推薦された方を市が環境美化推進員として登録し、本人に通知します。環境美化推進員を2名以上推薦するときは、その中で代表者を決めてください。
6) 活動報奨金について
環境美化推進員を推薦し、年間の活動実績を報告していただいた自治会には、活動報奨金をお支払いします。
活動報奨金の額は、自治会の市政協力員の人数に5,000円を乗じた額に、自治会の世帯数に50円を乗じた額を加えた額とします。
市政協力員の人数×5,000円+世帯数×50円
